既卒就活の実態【既卒就活でも諦めないで!】

 

既卒就活をした者として、これだけは言いたいということを先に言うと、下手に学生を辞めないほうがいいです(新卒カードとは言いましたが、ここでは「学籍」のことを指しています)。休学でも留年でもしたほうがいいというのが私の個人的な考えです。

結論だけ言うと下手に学生を辞めないほうがいいです。休学での留年でもしたほうがいいというのが私の私見です。  

私は研究室でひどい目に遭って特級呪物になったので、大学院からいち早く脱出することを優先したため、既卒者として世の中に放り出されました(とは言うものの自分から出たのですが…)。

今日は既卒就活って一体どうなのか?ということをまとめていきたいと思います。

まずは一般的な既卒と第二新卒の違いについてです。

【既卒】

  • 学校を卒業している
  • 正社員としての就業経験がない
  • 学校卒業後およそ3年以内しか経過していない

【第二新卒】

  • 学校を卒業している(既卒と同じ)
  • 正社員としての就業経験がある(既卒と違う)
  • 学校卒業後およそ3年以内に離職をしている(既卒と違う)

ざっくりまとめるとこのような感じです。

次に、既卒者が気をつけるべきことについてです。

  1. 「正社員としての就業経験がない」ということは強みにも弱みにもなる。
  2. 世間一般に「学校卒業後およそ3年以内は新卒採用と同様の扱いをする」というのは信じないほうが良い。
  3. 転職エージェントを利用することができない。
  4. 就活の時期を逃さないようにすること。
  5. 就活会議、みん就、unistyleなどの口コミサイトを使えなくなる。

さて、それぞれの項目に焦点を当てて詳細に見ていきましょう。

1. 「正社員としての就業経験がない」ということは強みにも弱みにもなる。

これはかなり意外なのではないでしょうか。弱みになることに納得がいく方は多いかと思いますが、強みになるのか?という話です。とある親切な(唯一私の職探しを手伝ってくださった)転職エージェントさんの話によると「前職での経験がある人を企業に受け入れたくないというところは一定数あるんです。」とのことでした。これには正直私も驚きました。自社で一から育てた人材のみを許容しており、転職からでは入れない企業が一定数存在しているようです。これは、第二新卒者にはできない芸当なので、逆手に取らない手はないでしょう。

2. 世間一般に「学校卒業後およそ3年以内は新卒採用と同様の扱いをする」というのは信じないほうが良い。

私の経験に基づくと「学校卒業後およそ3年以内は新卒採用と同様の扱いをする」は嘘です。どのような点で差が出るのかというと、特に面接のときです。 「なぜ既卒なのですか?」 「新卒者としての就活はしていなかったのですか?」 「今は何をしているのですか?」 など、新卒者では聞かれないことを平気で聞かれます。これは面接官の立場に立つと、この人を雇っても大丈夫なのだろうかという不安を抱くのは当然のことだと思います。逆に聞かれ過ぎてスラスラと事情を説明できるようになるレベルでした。ちなみに、多くの面接官はあからさまに怪訝そうな眼差しを向けてきたり、首をかしげたりして、良い印象は抱かれていないことは明白でした。 しかし、逆に考えると、上述したように面接はしてもらえているわけですから、書類は意外にも通ります(書類が通るからこそ面接に期待してしまうのが人情だと思います)。書類選考の時点でバイアスがかかっていることは大手メーカーでもあまり感じませんでした。なんなら最終面接まで何社かは行けましたので、面接の受け答え次第だろうと強く感じました。 ただし、最終面接ともなると新入社員の採用決定権を持つような人たちが登場するので、年次の高いベテラン社員が多く、既卒者へのステレオタイプはかなり厳しいものになります。このステレオタイプは皆さんが抱いているものとおおよそ合致すると思うので割愛します。当事者が一番よく分かっていて、しんどい部分ですからね。

3. 転職エージェントを利用することができない。

既卒者の中には、どうやって企業にエントリーしたら良いのか分からない、という人も多いのではないでしょうか。私は少なくともそうでした。恥ずかしながら、既卒就活を始めたばかりの時は自分が就活市場の中で置かれている立ち位置というのが分からず、右往左往しておりました。行動指針の結論から言います。

  • リクナビ、マイナビ、キャリタスなどの新卒者が使うアプリを入れましょう。
  • 通年採用をしている企業を探しましょう。
  • 会社のホームページからマイページを作りましょう。
  • 人事に直接メールで問い合わせてみましょう。
  • 教授や友人を通じて募集者を探している企業がないか聞いてみましょう。

こうやって列挙してみると意外にも取るべき行動はたくさんありますが、それでもなおいばらの道です。

この項目の標題にもあるように、誤解を恐れずに言うと、既卒者は転職エージェントを利用することができません。 (齟齬をなくすために付け足すと、既卒者向けに求人を紹介してくれる転職エージェントもありますが、まず勝算がありません。もしくは求人がしょぼい、エージェントが使い物にならないです。) 一般論と私個人の経験が重なるところで、おおよそ間違いないだろうということは「大前提として転職エージェントは既卒者(職務経験なし)を相手にしてくれない」ということです。転職エージェントは利用する際に前職での経験、社名、収入などを入力する必要があり、既卒者(職務経験なし)の人にとってはこれが最大の敵です。登録できたと思ってもエージェント側から「既卒者で職務経験ないんですよね?本サービスの対象外です。」とざっくりと切られてしまいます。とても嫌な気分になるので、個人的にはあまりおススメはしません。

4. 就活の時期を逃さないようにすること。

採用活動の時期に関しては企業によって様々ですので一般的なことだけで留めておきます。企業は基本的に4月入社、10月入社で採用活動を行っております。既卒者として就活をしていると入社時期は意外と融通が利くもので、選考フローに乗ってしまえば後はこっちのものです。ただし、多くの場合は4月入社なのではないかと思います。企業側にも研修や寮・社宅の準備などの都合があるので、1人をポツンと受け入れることには大きな障壁があります。入社時期に関して面接中に聞かれたら「私は○○月(自分と企業の都合を考えて常識的な時期)から働くことができますが、もし御社とご縁がございましたら御社の規定に従います。」と伝えると良いでしょう。

5. 就活会議、みん就、unistyleなどの口コミサイトを使えなくなる。

就活をしていると、インターネット上で見られるエントリーシート、選考フロー情報など、先人たちが共有してくれているサイトが存在します。しかし、既卒者になって私も初めて不自由を感じたのですが、これらを既卒者は利用できません。それは大学から配布されているメールアドレスを要求されるからです。在学中は気にも留めていませんでしたが、確かに大学のメールアドレスを無意識に打ち込んでいました。 就活会議、みん就、unistyleにはかなりの情報が載っているので、これらを使えないのは情報戦を制するという観点では後手に回らざるを得ません。些細な事(些細か?)だとは思いますが、既卒者就活をした人しか知らない苦悩という観点で共有しておきます。